ずぶぬれて犬ころ

 題記は、昨朝の朝日新聞の天声人語に紹介されていた自由律俳人の住宅謙信(すみたくけんしん)氏の俳句である。
 氏は急性骨髄性白血病で25歳10ヵ月で夭逝、その闘病生活の中で詠まれた自由律俳句が殆どとの事。
 「ずぶぬれて犬ころ」と題して映画化されている、との事で、興味が沸きネットで調べてみた。
 色々と解説付きで紹介されている句もあり、心に沁みるものも多いが、福田和也氏が選んでいた10句が老生の感性と同調した。

 退職願出してきた、枕元に朝が来ていた
  
 合掌するその手が蚊をうつ

 薬が生涯の友となるのか今朝の薬

 こわした身体で夏を生きる

 気の抜けたサイダーが僕の人生

 子につんぼと言われていたのか

 ずぶぬれて犬ころ

 夜が淋しくて誰かが笑いはじめた

 何もできない身体で親不孝している

 若さとはこんな淋しい春なのか
 
 

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック